肌に、針の様に突き刺さる冷気。あれは1999年12月31日の事。
白い煙が辺りを一面に立ち込める。
黒い『何か』が嫌に際立って見える。
周りからは、この空気にも似た甲高い寒い声が共鳴しはじめる。
さっきまで歌ってた兄さんを見ても、意味深な笑みを浮かべながら煙の中の黒い固まりを睨んでいた。
あたしを混乱と恐怖に落とし入れるには十二分だった。
けど、何故か身体はまるで氷の様に硬直して、動けない。
いや。
動きたくなかったのかもしれない。
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