それに対して俺は…
「は…葉山 隆です…」
それだけ言うのが精一杯だった。我ながら情け無いと思うが、あまりにも予想外の事態に直面したため、思考が半分方停止していたのだ。
そんな非常時における人間の無力さを思い知らされた俺を見て、お姫様はニッコリ笑って言ったのだった。
「うむ、ではさっそく参るとするかのう。タカシよ」
「は?い…一体どこへ…?」
「ホケンシツ(保健室)じゃ。タイークカンソーコ(体育館倉庫)でも良いぞ。其方ら庶民が学校内で愛を交わす際は、この2ヶ所のいずれかで行うと聞いた。どうじゃ?良く知っておるじゃろう」
しかし、俺は彼女の言葉の半分も理解出来なかった。
再び殺意の集中砲火を浴びて、それどころではなくなっていたからだ。俺は生きて明日の日の出が拝めるかどうかの自信すら無くなっていた…。
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