そんな表の顔と裏の顔を持った佐藤洋平という男に、和美が興味を抱いたのも無理は無かった。
なぜこんなにも軽い男を演じなければならないのか?
なぜもっと素直に素の自分を表現できないのか?
それによって何か得があるのか?
失ったものは無いのか?
それは自然な疑問だった。
極普通に生きてきた者ならば、誰でも抱く興味的疑問だと言ってよかった。
そしてそれ以上に、佐藤洋平に対して母性的本能が働いたことも確かだった。
それはビジュアルから来る、女だったら誰でも挑発される箇所を、和美自身も刺激されたことは間違いなかった。
そんな感情を気付くこともなく、日々、日常を送ってきた和美ではあるが、これは正しく母性であると女の本能で分かったのだ。
母性本能を刺激する・・
佐藤洋平はそれを考えてた上で、自分の容姿を利用し、女たちに近寄る手段にしていることは彼を見れば分かった。
それでも、それが分かった上でも佐藤洋平に引かれる自分を口惜しくもあったが、
それならば彼の思惑に乗ってやりたい・・・
そんな母性に、和美は突き動かされずにはいられなかった・・・
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