「あ、カインとやる前に、ちゃんと皮ん中も洗っておけよ!」
「おっ!大きなぁ」(お世話だ!)と言おうとした語尾は、高城の背中を見て飲み込んだ。
あばよ!とでも言うかのよに、背を向けたまま手を振る後ろ姿は大人だった。
(俺に本心を気ずかせる為に、高城はわざとやったのか?)
その思いは尻に当った、棍棒のような高城の感触を思い出し、直ぐさまに打ち消した。
それでも、こうでもされないと逃げ腰だった自分に気づかされたのは確かだった。
「ありがと・・な」
俺は小さくなる高城に向かい、小さく呟いた。
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