〜再会〜
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No.120
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┗瀬津秋
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「すみません。」 階下から男の声が聞こえた。 数秒後、母とその男の楽しそうな笑い声が聞こえたものの、恋歌はピクリとも動く事はなかった。 甲高い母の笑い声も、いつもなら共に笑っているだろう。だが、今日はその声が耳障りで仕方がなかった。 恋歌は握りしめた右の拳を、クッションに殴りつける。 「うっさいな。」 小さな小さな声で呟いた。…ガチャリ。 ドアの開く音がし、恋歌の部屋に一筋の光が入る。 「恋歌ちゃん。」 薊と、同じ声。 「…兄ちゃん。」 涙でグショグショの顔を見たササラは大して驚いている様子はない。ただ、複雑そうな表情を浮かべてる。 「ゴメン、あの時僕がカバン届けなければこんな事にならなかったのにね。」 全てを知ってる…と言ったような顔つきでササラは恋歌に謝罪の言葉を零した。 「兄ちゃんの所為じゃないよ…。あたしが渡してって頼んだんだから…。」 どんどん、声は小さくなり語尾はもう消え去りそうな程だった。その後堪えるように何度も嗚咽を繰り返し…挙げ句の果てには我慢仕切れなくなった、瞳に溜まった何粒もの涙を零した。
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