海から見つかるのは
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都心部の幹線道路には不釣り合いなボロボロの軽トラックを運転しているのは、黒い競パン一丁に首からタオルをぶら下げただけの、いかにも海の男といった風体の男だ。 「……」 その男の後ろ姿を眺めながら、荷台で腕組みをしているのは、こちらも海の男と言った感じの筋骨隆々の大柄な男だった。 荷台には、大きなクーラーボックスやらが所狭しと積まれている。 「あー…しかし、いいのかねぇ? こんなに『獲物』を持って帰っちまってよぉ?」 大柄の男の言葉に対し、運転席にいる男は振り返りもせずに答えた。 「構わねえさ。この『獲物』は一般に流通出来るような代物じゃねえんだ。俺らみたいなプロが扱うしか無いんだよ」 「まぁ、そうだろうけどよ…」 そんな会話をしながら、夜の国道を走ること一時間。軽トラはとある山奥にある巨大な施設へと到着した。 「おい、着いたぞ」 男が声をかけると、荷台にいた大柄な男が軽々とした身のこなしで飛び降りる。
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