炎と蛮人
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それはまだ、人類が文字というものを発明する前の時代。 赤々と燃える炎は神の啓示であり、天と地を繋ぐ唯一の道だった。 そしてその火の明かりで闇を切り取り、世界の姿を暴き出すのも神の御業だと考えられていた。 だから人々は火の前で祈りを捧げた。 自らの信仰心を証明するために。あるいは、己の存在を主張する為に。 それは今よりもずっと原始的で、原始的な分だけ純粋な行為であった。 一人の青年が豪火の中で踊るようにのたうち回っていた。 彼が身に着けているのは、薄い布一枚だけだ。しかしそれが逆に彼の肉体美を強調しているかのようだった。 汗だくになりながら彼は踊り続ける。炎に照らされた肌からは湯気が立ち上っている。
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