剣の主
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その日僕は、前日の修行中に折れてしまった剣の代わりを探す為に入った屋敷の倉庫の中で、埃塗れの一本の剣を手に取った。 『貴方が私のマスターか?』 「え?」 何所からか不思議な声が聞こえてきた。 次の瞬間、僕が持っていた剣が突然光輝いたかと思うと、今まで見た事の無い程美しい女性が、僕の前に跪いていた。 「主よ・・・貴方の名は?」 「え?名前?せっセイルと申します・・・」 その女性の余りの美しさに、僕は呆けたように聞かれるがまま自分の名前を口にした。 「承知しましたセイル様。今日より私は貴方様の剣として忠誠を誓い、共に邪悪なる者たちと戦う事を誓います。願わくばこの制約の永延ならん事を・・・」 そう言うと優美な甲冑を身に纏った少女は、僕の手を取り、その手に忠誠のキスをした。 こうしてこの日、埃の溜まった薄暗い倉庫の中で、僕と彼女は出会った。
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