淫虐の儀
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某県の山奥にある農村では十年に一度、世にも奇妙な儀式が行われる。千年の歴史を持つというその儀式は村人以外に知られる事無く脈々と受け継がれて来た…。 この村に一人の少女がいた。名を早百合(さゆり)と言う。今年16歳になる彼女は、こんな農村には似つかわしくない程の美少女でありながら、田舎育ちらしく純粋な少女だった。 彼女は両親がおらず、村長の家で養われて育った。聞く所によると父親は不明、母親は早百合を産んですぐに死んだそうだ。 「早百合、明日、学校が終わったら神社に行きなさい」 夜、食事の席で村長は早百合に告げた。村長夫妻は優しかったが、決して彼女を自分達の娘として扱わなかった。 「はい、わかりました。でも何でですか?」 「…実はね、来年この村で十年に一度の祭があるんだが、お前にはその祭の“巫女”をやってもらう。今からその準備をしなきゃいけないからね」 「そんな大役にこの私が…!?でも一体どんなお祭なんですか?」 「それは行けば分かるよ…」 今ひとつ歯切れの悪い村長、早百合はどうも腑に落ちなかった。
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