◇◇◇ 淫蕩聖伝 ◇◇◇
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『君は…』 少年は夢を見ていた…。 『…あぁ…そうか…思い出したよ…いつもの夢だね…』 少年の目の前には、一人の美しい少女が立っている。 新雪のような白銀の髪、肌も抜けるような白さ、真紅の瞳だけが色鮮やかに際立っている。 そしてその顔立ちは例えようも無く美しい。 何も身に付けていない、生まれたままの姿で、少女はただ黙って少年を見て微笑んでいた…。 彼女は定期的に少年の夢に現れるのだった。 少年がどんな夢を見ていようと…それが例えば学校の教室であろうが、自宅の家族の団欒の場であろうが、あるいは支離滅裂な夢の世界であろうが、その少女は不意に現れる。 そしてその瞬間、世界は一切の動きを止め、色を失うのだ。 その少女と少年以外は…。 『……』 少女は黙ったまま少年に歩み寄って来る。 少年は少女から目を離せない。 やがて二人は、どちらからともなく互いの体を抱きしめ、唇を重ねる。
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