見知らぬ土俵
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ほんのちょっと道を外れてみたつもりだった。 それなのに全く見知らぬ場所へと来てしまった。まるで誘いこまれたかのように。 神社のような建物に豪勢な作りの土俵、崖を削って作った様な休憩所…。 近所にこんな所があるとは思えない、記憶に無いしまず明らかに雰囲気がおかしい。どことなく、ファンタジー的な佇まいがある。 「こんな所で時間を潰しているわけにはいかないのに…」 思わず声が出る。 「隣の学校のアイツに差を付けられるじゃないか…」 楓野の鞄からは隣の学校のアイツこと蓬下の書いた挑戦状が飛び出していた。 随分古い手だが楓野は見事に挑発に乗っていた。色々と似た所があるのだろう。
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