ドコにもいかないでね…
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真夜中…2時を回った頃だろうか。隣に寝ていた雛が突然跳ね起きた。ふと横を見ると彼女は荒い息をしながら上体を起こしていた。何事かと思って自分も起きる。 『おぃ…。大丈夫かょ。』下から雛を覗き込むと手で顔を覆い、声を殺して泣いている。 「ふ…っぅ…」 俺は驚いてしまって背中をさすってやる事しかできなかった。すると雛は両手を俺の首にゆっくり回して抱きついてきた。そんな子供みたいな行為が可愛く思えて戸惑いながらも抱き返した。どれくらい経っただろう。鼻声で雛が呟いた。「健吾は…健吾はドコにもいかないよね」
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