だが不思議と嫌悪感はなく、むしろ美しいとさえ思えた。まるで一つの芸術品のようだ。
清兵衛は思わず見惚れてしまった。
「美しいな……」
思わず口から漏れてしまった言葉にハッとして我に返る。
(何を考えてるんだ俺は…!)
清兵衛は自分の頭を左右に振り、邪念を払う。改めて怪物を観察すると、やはり敵意がないように思える。その証拠に清兵衛が近づいても微動だにせず、ただじっとしているだけだ。まるで何かを期待しているかのように……。
(もしかして俺を待っていたのか?)
そんな考えが頭をよぎる。だが、もしそうだとしたら一体何を待っているのだろう?
↑に続く文章を投稿して下さい
©2002-2024 PIPI's World 『投稿小説』 All Rights Reseved. | 投 稿 小 説 |