さてまずは、肉からいただこうか。まだ、熱の残る鉄串をつまんで齧りつくと、塩の味が口に広がり、
唾液があふれてくる。胡椒の香りが鼻に抜けると共に、肉汁が口いっぱいにこぼれ出す。しっかりと
噛み締めながら串から抜けば、歯を押し返してくる弾力が楽しませてくれる。そのまま味わっていくと、
兎肉本来のさっぱりとした風味が出てきて、表面の香ばしい歯ごたえと共に、なかなか味わい深い
出来に仕上がっている。
「……旨いなぁ」
思わず、そんな感想が口から漏れてしまう。
それを聞いたエリカは胸を張り、その目は一矢報いてやった、と自慢げに語っていた。
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