「というわけで、とよ。お前は生贄になってもらう」
「えぇっ! いやよ! なんで私が!?」
とよはただでさえ大きな目をさらに見開く。しかしそんな彼女に対して村人達が取った行動は、ただ静かな視線を送るだけだった。
「ちょ…なんでよ? 黙ってないで何か言って!」
そんなとよの訴えもむなしく、村人たちはとよを小屋に閉じ込めた。
「ねぇ!なんで!?お願いだからここから出して!」
閉ざされた扉の向こうから聞こえてくる声に、村人達は耳を塞ぎながら首を横に振る。
(恨むのなら、自分の運の悪さを恨むんだな)
そんなことを考えつつ、村人達は各々家路につくのだった。
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