だが、男達の表情は恍惚そのものだった。
「ゾーイさま…ああ、ゾーイさまぁ…」
皆一様に幸せそうな笑みを浮かべながら、淫らな植物の中へ入っていく。
「ゾーイさま…ゾーイさまぁ…」
男達はうわ言のように呟き続けるが、やがてそれも途絶える。
そして、村から全ての男が消えた。
畑には実った作物だけが残り、風にそよいで揺れている。そこに、もう村の形はない。あるのは、淫らな植物が生い茂る楽園だ。
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