天使たちと甘い生活 1
「こんな感じかな」
望月克也は台に並べられた果物や皿の配置、周りにある椅子を見渡し一人頷く
「誰かに絵を教えるなんて始めてだし緊張するな」
一人つぶやき、先日の事を思い浮かべる
克也が依頼を一通り終えたある日電話がかかってきた
電話の主は姉であった
「もしもし克也、今日…絵の教室やるんでしょ?」
「そうだけど、どうしたの?」
「ウチの子も絵の教室に行かせても良い?」
「ああ、別に構わないよ。でも…あれ?姉ちゃん、確か…夏休み海外に行くとか言って無かったっけ?」
「そうだけど…ウチの子、芽衣がね。どうしても海外に行きたく無くてさ…絵をしえる次いでに、あんたの所でしばらく預かってくれないかしら…」
予想外の展開に、克也は少し戸惑った。
「まあ、預かるのは構わないけど…」
「ありがとう、じゃあ…午後にはそっちに着ける様にするね」
「ああ、分かったよ」
そう言って電話を切って、克也は戸惑った。芽衣ちゃんと会うのは、今年正月会って以来だと思い出した。
(まあ、来たら…来たで、流れに任せれば良いか!今は目の前の事に集中しよう!)
そう思って、克也は時計を見た。午前9時50分…
(そろそろ生徒が来る頃だな…)
小さなアパートの一室、外で自転車にブレーキを掛ける音が聞こえ、賑やかな声が聞こえて来る。
「お邪魔しまーす!」
「こんにちはー!」
「ごめんください!」
「ただいまー」
可愛らしい声に混ざり、1人場違いな声が聞こえた。
生徒は全員、小学生の少女達だった。
春沢美奈…小6、明るくて元気な子。
吉川美穂、真帆小6、双子だが、姉の美穂は大人しくて穏やかな性格、妹の真帆は元気で活発な性格だった。
井下優里…小5ちょっと天然の入った、可愛らしい子。
今日、絵の勉強をする彼女達が、部屋に集まった。
そして克也の今日初の絵の授業の後に、克也と2人だけの秘密の課外授業する予定の子も、この中にいた。
4人集まった少女達の中で、1人だけ大きな荷物を抱えて克也の部屋に入った子がいた。春沢美奈だった。
「ねえ美奈ちゃん、お絵かきの教室なのに、何でそんなに大きいバック抱えているの?」
「先生に、課外授業も教えて貰うからよ」
「ええ、良いなぁ。私も課外授業してもらおうかな?」
「ダメよ、定員オーバーだから」
「ナニソレ?」
…と、他愛ない会話がされる中、克也は少女達に授業を教えた。
午前11時半、その日の授業は終わり少女達が家に帰って行く中、克也は部屋の全てのカーテンを閉める。
リビングで、克也が来るのを待っていた美奈は、正座して彼の行為に気持ちを整えていた。
「美奈…」
「先生…」
2人は互いを見つめ合いながら、唇を重ね合わせて濃厚な口付けを交わす。
美奈と知り合ったのは、一年前の事だった。SNSで克也がイラスト投稿している時に、たまたま彼が近所の風景写真を撮影した時に、彼の写真のコメント欄に「この場所知っている」と、コメントして来たのが彼女だった。それからDMで話し合っていると…「今度遊びに言っても良いですか?」と、コメントがあり、彼が了解を得て女性がアパートに来るのを待っていたら、現れたのが…当時小学4年の美奈だった。
それから2人の関係が続き、ある日の事だった…
小5になった美奈が、その日は、妙にモジモジしていた。
「どうしたんだ…何かあったの?」
克也が尋ねると…
「先生は、初体験、もう済ませましたか?」
突然の言葉に、彼は驚いた。
「な…何で、そんな事を聞くの?」
「ごめんなさい…他に聞く相手が居なくて…」
「いや、それよりも、どうしたの?急に…」
「私の友達で、もう初体験をした子が居て…」
「そっちの方がおかしいよ!」
「そう…ですね…でも、私も男性とシたいと思って…」
「僕と、ヤりたい…と、言うわけ?」
その言葉に、彼女は黙って頷いた。