謎の学校 14
鈴「私は、あなたのことも知ってるから、史ちゃんへの思いは封印してるの」
さゆり「鈴…」
鈴「15年前だって、史ちゃんに一目惚れしておきながら、結局最後まで告白できなかった」
さゆり「うん…」
鈴「その結果、史ちゃんは遠くに引っ越してしまった」
さゆり「うん…」
鈴「…このままでは、15年前と全く同じパターンに陥っちゃうよ?」
さゆり「そ、それは、やだよ…」
鈴「それなら、今、決心しなきゃダメだよ」
―この会話のあった部屋の外。
ゆかり「…理事長、そうだったんですね」
舞「15年前、かぁ」
部屋の中・・・
さゆり「15年前は同じクラスの岩沼さんに遠慮して、原久田君に言えなくて。」
鈴「ダメよ。まさか、まだ岩沼さんに遠慮してるの。」
15年前、原久田と仲が良かった岩沼真央に遠慮して言えなかった。
それが、いまだにさゆりが言えない原因だ。
その岩沼真央は、今この学校のある村の村長をしている。
その真央のアイドルのようなかわいい顔を見ていると、どうしても言えない。
―その頃。
「…ここだったかな」
校門の前に姿を現した女性。
真央である。
彼女は、さゆりを訪ねるためにここに来たのだった。