謎の学校 2
「理事長室がどこにあるか知ってるかな?」
「向こうの階段を上って、奥に行ったところにありますよ」
「そうか、ありがとう」
礼を言うと、彼女は笑顔で軽くお辞儀した。
…しかし、ここは中学校だよな。
彼女は高校生だった、よな。
まあ、これだけ規模がでかければ一緒くたになっててもおかしくはないが…
彼女は実は高校生ではなかった。
彼女はこの中学の教師なのだが、童顔のため高校生に見えたのだ。
理事長室に向かう途中、廊下から教室を見たらこの中学には制服がないことに気が付いた。
―理事長室。
ドアをノックする。
「はい、どうぞ」
女性の声だ。
ここの理事長は女性なのか…
ドアを開ける。
「失礼します」
中に入った瞬間、俺は思わず驚いてしまった。
理事長と思われる女性は、俺と同年代くらい(20代半ば)に見えたからだ。
理事長の顔を見たらどこかで見たことある顔だと思った。
「原久田君、私の事覚えてる。小6の一年間だけ同じクラスだったから覚えていないか。」
「もしかしたら、今野か。すまん呼び捨てしてしまって。理事長すいません。」
理事長の今野さゆりは小6の時からずっと原久田の事が好きで、ずっと彼氏がいなくて処女だった
「…覚えててくれたんだ、嬉しいな。私のことは呼び捨てでもかまわないよ」
再会した彼女は以前よりずっと大人だった。
それにしても、理事長なのか…
噂で、物凄いお嬢様だとは聞いていたが…