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剣の間奏曲
官能リレー小説 - ファンタジー系

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剣の間奏曲 1

マリヤンは焦っていた。
「このままでは、あの男は確実に死ぬ」
その言葉にリバウドが返す。
「それはない。アイツはそう簡単にくたばるようなタマじゃないさ」
「…………」
マリヤンは何も言い返せない。
「それに、俺たちがどうこうできる相手でもないだろ? これは天災みたいなもんだぜ?」
リバウドの言う通りだった。マリヤンたちはただ、黙って見守るしかないのだ。
「……そうだな。我々は見守ろう」
マリヤンの言葉で、この話は終わりになるはずだったのだが…。
「…あぁ〜、もう見てらんねぇ! おい、行くぞ!」
いきなり立ち上がったアモンが大声を上げた。
アモンは、ずっと我慢していた。自分の主人であるジェルマンが攫われたというのに何もできずにいるこの状況を。そして今にも爆発しそうな怒りを抑えていた。
だがそれも限界を迎えようとしていた。
そんなアモンの行動を見て、マリヤンが慌てて止める。
「待て! どこに行こうと言うのだ!?」
しかし、今のアモンには聞こえていないようだった。
「俺は助けに行くぜ! ジェルマン様を助けに!!」
「十兵衛と名乗るものは東の国でオニと呼ばれていたそうだ。」
「オニとはなんだ?」
「東の大国 絹の道のさらに向こうの国では、霊魂を表す言葉だ。だが、さらにその男はそれよりさらに東のかなた、海の向こうに住む怪物の名前らしい。その男は刀を使う。魔術も使うようだ。その男が操る軍隊は鉄砲を続けて何発も打ち込むことができたそうだ。」
「信じられないね。銃は確かにすごい武器だ。鎧を砕き、骨を砕く。だが連発して打てるものではない。その間隙をねらって襲えば大したことはない」
アモンはレイピアを抜いた。まっすぐな刀身と鋭い穂先が鋭く空を切った 細身のこの剣が高い金属音を立てる。鉄砲の登場により鎧が重要視されなくなった今日では比較的効果的な武器だ。




「鬼は船を占拠した。停泊中の海の上を歩き、奴隷たちを解放した。奴隷たちはすぐに獰猛な獣のように襲い掛かった。かの国の民を奴隷にすべきではなかった。その国は飢饉により常に戦が絶えなかったそうだ。そしてすでに女子供でさえ危険な存在であったのだ。」
「だからなんだってんだ。」
「その鬼は奴隷にしたうら若い女性たちを兵隊にした。すでに海上を支配していた海賊のうち2つをつぶしている。」

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