女嫌いが女になったら 56
白髪交じりで髪は短め。最近は抜け毛を気にしているので毎日、養毛剤はかかせない。
街門アルミが牛耳る生徒会が学校の実権を握っている関係上、校内では単なるお飾り。まぁ、それなりに事務はやっている。
『いやぁ〜学校が平和でなによりですなぁ。・・・はて?君達、ここに集まったのは?』
・・・・と、すぐ目的を忘れる大ボケ校長なのである。
『・・・(居ないものとして考えるか・・・。)さて、早速話し合おう。何か意見のある者、挙手の後、発言を。』
頭を華麗に振り、仕切直す萌えプリンス。その言葉と共に、メンバーは策を巡らせ始める。
メンバーを説明しておくと、校長、教頭、副会長、銀花、葵、つよポン、中国コンビの8人である。
『まずはあの取り巻き3人だな。』
葵が口を開いた。
『確かに。多岐小百合、九条弘美。そして厄介なのは刑部衛だ。』
つよポンも続いて発言する。
『あいつは頭脳もさることながら、体術も侮れん。下手な男より強いからな。』
『逆に彼女を仲間内に入れられたのなら・・・。かなりの戦力になる訳ですがね。』
銀花が口を挟み、それに対し雷覇はうんうん、と頷いている。多分別の意味で。
『そうゆうてもな、あいつを仲間に入れるて、そないな事出来んのかいな。』
元覇の意見も最もで。
『あいつの秘密を握って、それをネタに脅す、とか?』
『そないな事する前に、ワイらの秘密、逆に握られてまうわ。何や知らんけど、ものすごい情報網持っとるさかいな。』
つよポンの意見を冷静に制する元覇。
『要するに彼女を仲間にするのは無理、か。』
手の甲を顎に当て、ふぅ、と溜息をつく萌えプリンス。本来なら、こういう仕草に、女は堪らないのであろう。
心なしか、雷覇が沈んでいる。一人、衛勧誘作戦の失敗を嘆いていた。
『数世ちゃんにSPを4人くらい付けるとかどーよ?』
『それじゃ俺らまで近付けねーだろうが。大体がしてそれは俺達がやれば・・・』
『それじゃ現状の打破には・・・』
しょうもない議論をする葵、つよポンの体育会系コンビ。
中国コンビもあーでもないこーでもないと話して、校長と銀花は呑気にお茶しながら談話している。
その時。
『はぁん・・・んんっ・・・はぷっ・・・ちゅぷ・・・』
会議室に似つかわしくない(ある意味似つかわしい)悦声が響く。男根をおいしそうに頬張る女生徒のものだった。
それをくわえさせていた男こそ、この学校の教頭、天神乱魔(てんじんらんま)であった。
栗色のロングヘア、見た目20代前半の綺麗に整った顔立ち。不思議な色気と雰囲気を醸し出している。
この男、実は49歳。今年50を迎えようという年齢なのだ。
しかし、その若々しい容姿と絶倫が相俟って、この学校の女生徒、女教師を喰いまくっている遊び人だった。