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女嫌いが女になったら
官能リレー小説 - 学園物

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女嫌いが女になったら 47

北条は、とりあえず和菜に付いた精液をハンカチで拭い、制服を整えた。

そして身体を揺すり、和菜の意識を確認する。頬をぺちぺち叩くと、和菜はうっ、と反応を見せる。

『姉さん・・・何でこんな・・・。』

彼は和菜の身体をぎゅっと抱き締めた。すると彼女はゆっくりと目を開けた。

『・・・あ・・・純・・・なの・・・?』

『姉さん!』

精魂尽き果てたような和菜は、ようやく北条に抱き締められているという事を認識した。

北条はようやく笑顔を見せたが、すぐに表情を引き締め、事の成り行きを問い質す。
『姉さん。一体何があった?』

『情けない話よ・・・。ただ、皇数世に恥をかかせたかった。それが失敗して、しっぺ返しを受けたってだけ・・・。』

和菜はぽつりぽつりと話し始めた。事の顛末を・・・

高校に入ってアルミに出会った事。アルミを慕い、尽くして来た事。数世、銀花との出会い。そして二人との確執・・・。

高校に入って友達も居ない時、アルミに声を掛けられ、そのカリスマに惹かれていった。

その寵愛を承けようと、一心に尽くして来た。しかしアルミが愛を注ぐのは、数世や銀花だった。ただ悔しかった。
 
北条はそれを黙って聞いていた。姉の行為をくだらないとか、救いようがないとか、そんな風には思わなかった。

ただ、自分を腹立たしく思った。和菜を追い込んだのは自分だと。何故話を聞いてやらなかったのか、と。

『俺は・・・自分の事ばかりで・・・。姉さんの事・・・何も解ってなかった。姉さん・・・。』

北条は目に涙を溜め、和菜を強く抱き締めた。華奢な彼女の身体は、それだけで折れてしまいそうだった。

『・・・純。』

『姉さんは俺のために色々してくれてたのに・・・俺から閉ざしちまった。ごめん・・・。』
 
『もういいの・・・言わないで、純。』

和菜はふるふると首を振る。そして優しく微笑んだ。それは、あの優しかった姉の笑顔、そのものだった。

『姉さん。ごめん。俺、姉さんを守るよ。で・・・歩み寄ってみるよ。』

『純・・・。』

長い抱擁の後、二人はロッカールームを出た。

するとそこには、ぎょっとした様子で二人を見る数世の姿があった。どうやら一部始終を聞いていたようだ。

『数世・・・さん。』

和菜はばつの悪そうな顔をし、顔を逸らす。

『皇・・・さん。何でここに?』

率直な質問を告げる北条。
『あっ、えっ?べ、別に最近出番ないなーとか思って無理矢理出た訳じゃナイヨー?た、たまたま通りすがりで・・・』

明らかにしどろもどろする数世。どうやら北条の後をついてきていたようだ。

『あの・・・皇さん・・・姉が、和菜が・・・今まで・・・』

『ストップ。』

北条から出かけた言葉を、数世が制す。

北条と和菜が顔を見合わせ困惑すると、数世はにっと笑い、続けた。

『この部屋は私が掃除しておきます。さ、二人は行ってくださいな♪』

『えっ?で、でも・・・。』


申し訳なさそうな二人に、数世は笑顔で応える。
 

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