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女嫌いが女になったら
官能リレー小説 - 学園物

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女嫌いが女になったら 31

「伸だからなぁ……コイツ本当に何の反応も示さないし……」
Tシャツの裾を捲って、ほれほれと見せても、伸一郎は面倒くさそうな表情をするだけで普段と一向に変わらない。
俺から発せられるらしい『萌ビーム』とやらは、伸一郎には全く効果ないようだ。
むしろ、怒ったような顔ながら真っ赤になってる小百合の方に効果があるようで……
「少なくとも僕は数矢の表も裏も見ているから……女になった理由だけで性欲の対象にならないけどさ……」
表情も変えずそう言う伸一郎。
「それよか今は、『数世さん』に襲いかかる男を撃退する行為が楽しいから、女になったのは大歓迎だから……僕も数世さんに萌えてるかも」
くくくっと笑う伸一郎に、俺も小百合も半分コケかける。
付き合いが長いとは言え、流石にこんな所はついて行けない所がある。
ただ、女になってから余計に伸一郎は親友として頼りになると思ったし、意外にも男らしい奴だと見直したのは確かだ。
ただ変だけど(笑)……

とりあえず、伸一郎の事はいいとして、伸一郎と小百合がここにいるのはこれからの事を話し合う為だ。
数世の自宅前。

1人の少女が居る。九条弘美だ。

『はぁ、どうしようかな』

小百合と伸一郎が数世に呼ばれた事は知っている。いつも居る者としては

なんだか寂しい。ここに来たのは、女のカンってやつだろう。

『数世ちゃん…ううん、``数矢``君。』

彼女は数矢の事を覚えていた。数世が小百合や伸一郎とのやりとりを

見て、なんだか懐かしい思いをしていたのだ。

だが、かつて自分が数矢を避けていたのも覚えていたので、口には出せず

ずるずると、そのまま来てしまっていたのだ。

その反動が数世とのスキンシップなのだが。
『小百合も伸一郎も酷いなぁ。数矢君の事を知ってるなんて…でも…。』
親友だからこそ、彼女達は自分に言えなかったかもしれない。
その辺は人を思いやるという彼女のモットーからみれば当然だ。

『ううん、やっぱり数世ちゃんにはっきり言うべきね。私の気持ちを。』

このまま、何も知らない振りをするのも、彼女自身許せない。
親友だからこそ、彼女の力になりたい。助けてあげたい。
そう決意の表情でここに来たのだ。

弘美は凛とした表情で、ゆっくりと玄関のブザーのボタンを押した。
 
『数世ー。お友達よー。』

『あ、はーい。・・・誰だろ?』

母親の呼び掛けに応え、ふと小百合と伸一郎の顔を見遣る。二人とも心辺りはないようで、首を傾げている。

考えても仕方ないので、とりあえず近くにあったぶかぶかのズボンを履き、玄関へ向かった。

『こんばんは。ごめんね、突然。ちょっとお邪魔していいかな・・・?』

『弘美。あ、うん。上がりなよ。』


そこに居たのは、何やらいつもより真面目そうな顔をした弘美だった。

何かあるなと察した俺は、弘美と共に、二階にある自分の部屋へと向かった。
 

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