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女嫌いが女になったら
官能リレー小説 - 学園物

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女嫌いが女になったら 119

『ARE YOU READY――!?』

その瞬間、数世は何をすべきかわかった。

(なるほど。よし、久しぶりにやってみるか!)

数世のドラムがいきなりスタートした。鶴田もわかったのか、ギターでメロディーを奏でる。負けじと、衛は鍵盤を走らせる。そして…何よりも驚いたのは、薫の美声。
即興の、しかもそれぞれが合わせるのが初めてなのに、まるで以前からいるように
全ての音色がピッタリと合っていく。

そして…5分間の演奏が終わった。
朝鳥と眞樹は感動すると

『是非ともこのメンバーでバンドしないか』

朝鳥の言葉に数世の心の中では心が躍る。
しかし数世にはチアの練習がありバイトもある等の問題があった。
衛を見るとやはり困った顔をしている。
そこで数世は言った。

『いいけど、条件として“サブボーカル”と“ベース”を揃えたら考えてもいいかな』

数世は朝鳥と眞樹に条件をつけた。
それは数矢の時からのバンドの悩みで特にベースはバンドの悲願であった。
数世の提案に朝鳥と眞樹は“どうしよう”と頭を抱える。
すると新幹線娘の一人が現れた。
パチパチ…

『よかったですよ、皆さん。私、感激しちゃった!』

そう言っているのは、谷川 小町。目を輝かせながら数世に近づく。

『数世先輩、条件を聞かせてもらいました。ベースは任せてください。』

『え!?小町ちゃん…出来るの?』

驚く数世を尻目に、小町はにっこりと微笑む。
ふだんおっとりしている彼女だが、通称「プレベ」と呼ばれているベースを持つと、いきなり重低音のビートをたたき出す。

『こ、これは・・・』

『上手ぇじゃん。』

朝鳥と鶴田が感動する。
「これはもうベース決定じゃねぇの!?」と、興奮気味の朝鳥。
「あぁ、文句なしだな。」としみじみ言う鶴田。「小町ちゃんどうしてそんなにベース上手なの?」と数世が尋ねると、小町は「前に友達みんなで集まって、バンド組んでた事があるんです。私その時ベース担当だったんです。」
「へぇ〜そうなんだ〜。」感心する数世を尻目に、朝鳥と鶴田は二人で盛り上がっている。
……この縁が、後に数世達カルテットの危機を救う事になるとはこの時は誰も思いもしなかったのだ。


「あれっ……小百合のお母さんじゃない?」
「あっ!、本当だね」
数世と衛が窓から見たのは、小百合の母の優奈だった。
シングルマザーの優奈は評判の美容師で、小百合の髪だけでなく数世達も世話になっていたりする。
「すんげえ美人だよな……」
「4人子供がいるなんて信じられないよ」
朝鳥と眞樹も窓際に見に来た。
「小百合のお母さん、PTAだったっけ?」

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