PiPi's World 投稿小説

人生をやり直すために必要なもの
官能リレー小説 - ラブコメ

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

人生をやり直すために必要なもの 1

波の音、風の音が心地よい小高い丘。
海を見下ろす風光明媚なこの場所に、真っ白な立派な建物がある。

いじめや家庭の事情で不登校になった少年少女が通う、特別な学校。
僕、御坂遼平もここに通い始めたばかりの生徒の一人だ。

僕がここにやってくることになってしまった原因、それは―



「好きです、付き合ってください!」
ずっと好きだった同じクラスの女の子に告白した。
クラス、どころか、校内一の美少女で、それこそ争奪戦必死の相手。
玉砕覚悟で僕は彼女に告白した。

「ありがとう…でもごめんなさい」
彼女からはお断りの言葉。
仕方のないこと。それは僕だって想定していた。

でも、その翌日…


いつもの朝のはずだった。
友達もロクにいないから、話しかけられないことにだって慣れてはいた。
それが、だ。

「キモオタの分際で告白だよ?」
「しかも相手がねー」
そんな会話が聞こえた。
ヒソヒソ話とかのレベルではない。僕に聞こえる声で、これでもかと言わんばかりに僕を罵倒するような言葉の連続。
それが女子の一部から始まり、男子にも広がり、クラスを超え校内全体にまで…

もう、僕の居場所はなくなった。
あの告白から1週間、僕は二度とその学校に通うことはなかった。


―それから半年くらいの間自分の部屋に引きこもり、外との接触を拒み続けた。
痺れを切らした父さんから怒鳴られることもあった。
母さんは…怒ることも、愚痴も言わず、ただ黙って僕を見守ってきた、と思う。

ある日、母さんは部屋の外から僕に言った。
「お父さんと離婚することにした」
驚いた。言葉が出なかった。でも、それを聞いて僕は思った。
「僕の…せいなの?」

「遼平のせいじゃない…でも、私は、遼平を守りたいから、決めたの」

「母さん…」
その夜、僕は泣いた。一晩中泣いてた気がする。
ただ何もせず部屋に篭っていた半年間の無駄な日々を悔いた。
そして、母さんの優しさに感謝した。

父さんと母さんの離婚が決まった後、僕は母さんと一緒に、母さんの実家へ向かった。
この『特別な学校』(学校というか更生施設のような場所か)は、その実家の近くにあるのだ。

SNSでこの小説を紹介

ラブコメの他のリレー小説

こちらから小説を探す