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官能リレー小説 - 同性愛♂

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罠 1

コリント式の兜を装備した兵士達が、整然と隊列を組んでいる。
そのどれもが灰色になっており、ぴくりとも動かない。まるで精巧な石像のようだ。
彼等はダンジョンを攻略すべく、ここに集まってきた者達だ。
だが、一歩踏み入れただけなのに、ダンジョンに取り込まれてしまったのだ。
石化した兵士達が身に付けていた鎧が砂となって崩れ落ち、床に散らばる。いつしか兵士達は兜以外は何も身につけていない状態になっていた。
何人もの兵士が素っ裸で股間を隠すこともしないで整列している様子は古代遺跡にある彫像のようだ。
しかし、彼等の肉体は単なる石の彫像とは比べ物にならない強度を誇っていた。その強度はアダマンタイト鉱石にも匹敵する程だ。
なので鍛え上げられた肉体美には欠けどころか傷一つ無く、むしろ磨き抜かれた大理石のように輝いていた。
強大な呪いによって取り込まれてしまった彼等は今やダンジョンの一部と化していた。
ペニスを堂々と晒した屈強な男達が整列する様は壮観であり、見る者が見れば芸術的な価値を見いだすかもしれない。
彼等はいつしかダンジョンの魔力を蓄え、侵入者を待ち構える罠として機能を果たしつつあった。
そして新たな挑戦者がダンジョンへと足を踏み入れる―。
「ここか…」
一人の男が呟くように言った。彼は他の冒険者と違い、武器も防具も身に着けていなかった。
彼は全裸だった。一糸纏わぬ姿のままダンジョンの入口までやって来たのだ。
彼の身体は他の冒険者と変わらない程の筋肉に覆われているのだが、不思議とその肉体からは淫靡な雰囲気を感じさせた。男の肌の色は濃い褐色をしており、髪の色も同じ色をしていた。瞳は青みを帯びた黒色をしている。
顔立ちは彫りが深く、異国情緒溢れる風貌である。
男は全裸だというのに羞恥心など微塵も感じさせない態度で、ダンジョンの中へ入っていく。
入り口にはダンジョンに取り込まれた兵士の石像が並んでいた。
それらの石像は侵入者である彼を見ると、突然動き出し襲いかかってきた。
しかし、それは想定内の出来事であったようで、男は慌てず騒がずに腰を落とし構えを取る。
すると、男の周りに空気の流れが生まれた。いや、正確に言うならば空間そのものが歪んでいるような印象を受ける。

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