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勇者の子孫
官能リレー小説 - 同性愛♂

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勇者の子孫 1

王宮の広間に勇者の子孫が集められていた。金髪の逞しい国王が彼等に呼び掛ける。
「そなたらが勇者の子孫か!?」
「「「はっ、国王陛下!!!」」」
集められた勇者の子孫達は自称も含めて百人近くいた。
何せ三百年も経っているので無理も無い。
それでも今日ここに集まったのは子供や老人を除いた戦える者だけである。
王は言った。
「では行くが良いお前達!この中で見事魔王を倒した者には領地を与えて貴族にしてやる!お前達、励めよ!」
「「「おぉぉーーーーっ!!!!」」」
勇者の子孫といっても誰もが良い暮らしをしている訳じゃない。落ちぶれた者も少なくない。
立身出世のチャンスに皆のモチベーションは一気に上がった。
傭兵ヘニングは気が乗らなかった。
「なんだか胡散臭いなぁ…」
国王の説明も漠然としすぎているし、なにより周りの男達がならず者ばかりに見える。勇者らしい感じはない。
ヘニングが露骨に困惑した顔をしていると、隣のクアドという大男がニヤニヤとしながら近づいてきた。
黒髪に髭面のクアドは妙に露出が多かった。筋肉を強調するためというよりはまともな鎧が買えなかったのであろう。
「怖じ気づいているのか?」
その言葉に背後に並ぶ二人の下っぱが下品に笑う。彼等もやはり露出が多かった。
「いや、そうではないんだ」
「じゃあ、どういうわけだよ?」
またしても笑いが起こった。ヘニングは面倒くさいと思った。
一番の疑問と不快感はクアドみたいな山賊風の男も呼ばれていることだ。それを目の前の本人に言うわけにはいかないので適当にごまかすことにする。
「なんだか話が胡散臭いなと思ってな…」
「自国の国王が信じられないのかよ」
こういう時だけ国王を持ち出してくる、そんなところも嫌になる。こんな山賊紛いの男とは関わりたくない。
ヘニングは去ろうとしたが、クアドはヘニングに興味を持ったらしかった。ヘニングの後をついてくる。
部下らしい二人もクアドを追う。
ヘニングは足を止めた。

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