それでも彼女を愛し続けること 13
「あっ、あっ、あぁ……いぃ、いくっ!」
小さく叫び、ちなみの身体がビクン、と跳ねた感じがした。
達したのだろう。それからバイブの音も止まった。
俺一人でちなみを満足させられないことはわかっている。
こういうことも受け入れるんだと、自分に言い聞かせた。
……それから朝までは、ぐっすり眠れた。
「おはようございます」
ちなみは笑顔で俺を起こしてくれる。
でも、どこか遠慮しているみたいだ。
ちなみが犯された過去なんか、俺の中ではちなみへの気持ちや評価へのマイナス要素にはならないんだけれど、ちなみの中ではそう簡単に思い切れないだろう…
「うん、おはよう」
「きゃっ!」
ちなみが可愛い声で驚いた。
俺が抱きついたからだ。
「陽さん……………します?」
抱きついた事で押し付けられた朝立ちを優しく握られた。
「ちなみがしたいなら、いいよ」
「うれしい…」
控えめだったちなみが笑顔を見せながら、俺の寝間着のズボンを下ろす。
ちなみに触られて興奮が増していた。
今日は休日、特に予定はない。
こういう日はちなみとゆっくりまったり過ごすのが一番だ。
勿論、肉欲に溺れた生活をしてもいい訳だ。
ちなみの身体もそれを求めてるだろう。
だからと言って肉欲のみの生活もいけない。
確かにちなみは消えない疼きを抱え続けているから肉欲まみれの生活は大歓迎だろう。
だが、そんな生活を続けていると、俺一人で満足させられないと言う事実が必ず目に見えてきて、やがてはちなみが離れていく事になりかねないと思っていた。
俺とちなみを繋げるのは愛しかない。愛し合う事を大事にしないなら、またちなみを失う事にもなるだろう。
「上に乗っていいですか?」
「ああ、ちなみが沢山チューしてくれたらな」
そう俺が言うとちなみは頬を赤らめてはにかみながら、俺の首の後に手を回して抱きつき、キスをしてくる。
もちろんその気持ちに応えてあげる。
これまでは一方的に犯されるセックスしか経験してないからか、ちなみは自分から行為に出るのがまだ苦手な印象がある。
それを変えるのももちろん、俺の使命だと思っている。
最初は唇を重ね合う、ほんの軽いもの。
それから数回繰り返し、最後に濃厚な口づけを交わす。
「おはようのチュー……ですね…」
「これから毎日してくれるかい?」