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宝探し
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宝探し 1

ザッ!ザッ!
ゴゴゴ…!

ヘルメットに取り付けたライトが、岩肌と土を照らし出す。それ以外の場所は、跳ね返った光がうっすらと照らすのみ。
岩を削るツルハシの音、時には岩を砕く削岩機の音。
2人の男が、洞窟を掘っていた。
手を休めた1人が言った。
「そろそろ出てきそうなもんだが、本当にこっちで合ってるのか?」
「この絵図を解読した通りなら、もう少しで何かに当たるはずだ」
もう1人が取り出したタブレットも画面に、古い絵図の画像が映っている。
計算した数値や、書かれた内容の解読文があちこち書き込まれている。
「ここがこの洞窟の入り口、俺らはこう来たから、今はこの辺りだ」
「そっか。あれだけ掘れば、今頃この辺りだな」
画像上を指でなぞって説明されて、もう1人も納得した顔になった。
そしてようやく小さな青銅の壷を掘り出すのに成功した。
その壷には絵が描かれていた。それは、全裸の剣闘士のような男が背中に2本の剣を背負っている姿だった。
「おっしゃあ!」
二人は喜びの声を上げた。
「間違いない、これだぜ!」
「ああ、やっと見つけたぞ!」
掘り出された壺は、土まみれだったが異様な輝きを放っていた。
「これで俺たちも金持ちになれるんだな?」
「そうだとも、この宝があれば金になるに違いない!」
興奮気味の男達。
「さて、どうやって運び出そうか…」
「大丈夫だって、俺は力持ちなんだ。任せてくれよ」
男は自信たっぷりに言いながら、壷を持ち上げた。
「おお、すげえ!軽々と持ち上げたじゃねえか」
「へへっ、これくらい朝飯前だよ」
男達は笑い合った。
「しっかし凝ったデザインだよな、この壺だけでも高く売れそうだぜ。でよ、何が入ってるんだ?」
「木の栓がしてあるようだな…膠か何かでガッチリ固められてるぞ」
もう1人が問いかけた。持ち上げた男が壺の口を見て言った。
「何が入ってんだろな?」
「慌てんなよ。絵図の通りなら、お宝はこれだけじゃ無いはずだぜ」
「おお、そうだそうだ」
男達は壺を丁寧に包んで、用意していた台車に載せた。
「さあやるぞ!」
「おお!」
ツルハシの音が響き出す。

再び穴掘りが始まった。
1時間後…。
二人の男は汗を流していた。
「ふう、なかなか骨のある作業だな」
「まあな。でもあと少しだ、頑張ろうぜ」
「おうよ!」
気合いを入れ直して、再び作業に入る二人。
いつしか彼等は、目的を忘れつつあった。宝を見つけることよりも掘り進める行為そのものに夢中になっていたのだ。
あまりの暑さに服を脱ぎ捨て、上半身裸になって作業をするようになっていた。

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