妄想と現実 1
写真に写るのは最高の美少女。
セーラー服姿に満面の笑顔。その服の下にははち切れんばかりの爆乳があることを俺は知っている。
「あぁ、最高だ、カトリーナ」
カトリーナ、とは目の前の美少女の愛称だ。
黒髪ロングの美少女で外人要素は皆無。「加藤里菜」という本名をもじったその愛称を囁きながら、俺はギンギンに勃起した愚息を右手で扱き始めた。
この行為はこれが初めてではない。それこそ毎日のように同級生の最高の美少女を妄想の中で何度も犯してきた。
「あぁ、あぁ!カトリーナ!最高だ!!」
無理やり犯すのもいい。
服従させるのもいい。
彼女と両思いになってラブラブイチャイチャチュッチュするのもいい。素晴らしい。
「うっ…!」
今日も大量に出たな…
こんな可愛い子が近所に住んでて、高校まで同じで頑張ってきたわけだ。
素直に告白すればいいじゃんって言われるだろうけど、そんな勇気はないし正直俺なんかじゃ釣り合う自信もない。だから妄想に走るのだ。
毎日のように妄想の中で犯したり愛したりしてきたカトリーナ…こと加藤里菜。
ある日の授業後、部活に入っていない俺はさっさと帰ってまた妄想に耽ろうと足早に校門をくぐって行こうとした、そこで…
「柚木くん!」
後ろから女の子の声。
あのカトリーナが僕を追いかけてきたのだ。
「えっ!?あっ、か、加藤さん、いったい…」
予想外の事態に声が上擦る。
普段は陰キャの僕は妄想の中ではいつも呼んでる「カトリーナ」の愛称を使ってはいない。
「ふふっ、カトリーナ、でいいのに。柚木くんは幼稚園の頃から一緒だったじゃん」
「そ、そ、そう、だね…」
微笑む彼女ともなかなか視線が合わせられない。
川沿いの遊歩道。
高校から少し歩いて、自宅までの一番の近道である。
カトリーナも僕も、家から歩いて通えるというのが一番の理由で今の高校を選んでいる。
それが有数の進学校であるというのは後で知った話。カトリーナの存在もあって受験勉強を頑張れたのだ。
「昔は手つないで、一緒に帰ってたんだけどな」
「そ、それって、いつの話…?」
「幼稚園の頃」
カトリーナと僕は、母親同士も同級生で親友だった。それもあって家族ぐるみの付き合いがあるのだが…僕はこれといって思い出が記憶にない。