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男の夢をかなえるアプリ
官能リレー小説 - その他

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男の夢をかなえるアプリ 7

普通、剣道でこんな構えはまずない。
真剣じゃないんだから威力なんて関係ないし、素早く振り下ろせない上に胴を打ってください的ながら空きだし、まぁ不利にしかならない。
しかし頭の沸騰した恵梨香が冷静に胴打ちできるか分からないし、意外と相手するとこの構えは怖い。
怒りと戸惑いで恵梨香の竹刀の先がだいぶ揺れていた。

僕は彼女の逡巡を見て竹刀を振り下ろす。
始動の遅れた彼女は竹刀で受けようとするが、僕の狙いは面じゃない。
袈裟懸け的な斜め振りに野球のスイングのような要領で竹刀を胴へ・・・
普通、こんな大げさな動きしたら先に面をやられるんだろうけど、恵梨香の胴に竹刀のいい音が響く。

「ぐぅっ?!」

かなり強く入ったから彼女が屈む。

「大丈夫かい?・・・」

彼女に近寄ると、手で割と乱暴に押された。
でも、近づいた時に彼女の嗚咽が聞こえた。

やりすぎたかなぁ・・・
アプリも動員しての奇策勝負。
彼女は嫌いだろうなぁ、こう言うの。
しかし彼女は暫くして後ろに下がり、僕も察して互いに一礼して面を外した。

「・・・負けは負けです」

ちょっと目が赤い恵梨香が不機嫌にそう言う。
まぁ不機嫌なのは僕のせいだから仕方ない。

「お話は、朝練の後に聞きます・・・それでいいですか、先輩」
「うん、ありがとう」

余計な事言ったら怒るだろうから、短く答える。
そして暫くするとみんなぞろぞろと集まり、顧問の先生がきて朝練がバタバタと始まったのだ。


・・・そして、朝練の終わり。
僕はスマホを確認してみた。
沢野恵梨香の項目確認だ。

信頼度22(+11) 信用度40(+16) 恋愛度4(+21) 人格64 魅力82 母性63 経済力20 気品79・・・
ステータス結構上がってるみたいだ。

そして好感度は0(+25)、服従度は50(+35 イベント補正+30)
勝負に勝ったからイベントの補正だろうか・・・

そして、赤く点滅するこんな文字が・・・
『沢野恵梨香は牝奴隷ルートが選択可能です』
なんだこれは・・・

 とりあえず、このルートを選択するかどうかは午後二時くらいまで猶予があるようだったので、置いておくことにする。
 今は、百合の話が優先だ。
 服従度も50と、今まで見たこともない高さ。
 僕は、新たにシャッターを切らずに恵梨香に話しかける。
 「沢野さん、お願いだ。百合を助けてあげてほしい!」
 「なっ…」

 制服姿で向き合って、僕はあえて下手に出ていきなり深々と頭を下げる。
 剣道の練習だけなら怪我させなければ「傷つけた」判定は無いと思っていたけれども、強圧的な行動に出て精神的に「傷つけた」判定をされたら悪手になりそうだ。百合の時は精神的に辱めただけでも判定とられたから気を付けないといけない。
 アプリの効果があったのか今日の練習ではあまりいいところがなかった恵梨香は、いつもより凛とした雰囲気が弱かった。
 僕の行動に意表を突かれたのか、彼女が動揺するのが伝わってくる。
 
恵梨香は動揺しながら俯いた。
僕にでも分かるぐらい泣きそうなのを我慢してる表情だった。

「ごめんなさい・・・」

彼女の最初の言葉は謝罪だった。
一瞬、拒否されたかと思ったけど違うようだ。

「クラスの出し物で百合ちゃんの足を引っ張るように・・・私が裏で色々やってました・・・」

そう告白した彼女の表情は暗かった。
まるで懺悔するような口調だ。

「もしかして、百合が君に何かしたなら謝るよ・・・」
「違うんです・・・成績でも・・・委員長選挙でも・・・百合ちゃんに負けたのが腹立たしくて・・・」

彼女、プライド相当高いみたいだから、百合に負けてプライド傷つけられたんだろうな・・・
こんな兄と違って、アイツスペック高いしな。

何となく不憫になって、僕は恵梨香の頭を思わず撫でてしまった。
ちょっと驚いた彼女だったけど、そのうちしゃくりあげて泣いてしまった。
多分、プライドがお嬢様的に高い子だけど、本当はいい子なんだろうなぁ・・・
そんな風にちょっと思った。

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