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男の夢をかなえるアプリ
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男の夢をかなえるアプリ 4

「全部のいいとこどりして、って案だよね。そういうのって、うまくいかないんだよね」
「まあ…そうかもしれんな」

違ったコンセプトをごちゃ混ぜにしてカオスになってるし。
案を出した人間にすべて受け入れられるとは考えにくい。

「うーん…」
「ありがと。お兄ちゃんが相談に乗ってくれてなんだか嬉しかった。あとは私が何とかするから」
「ああ…そうか。がんばれよ」
「うんっ」

結局頼りにはなれずじまい。
しかし、百合の表情は最近ではあまり見たことのないニコニコしたものだった。

そのニコニコとした表情を見ながら俺は突然思いついた。
いい知恵を持ってそうな奴がいた事を・・・

俺には幼馴染みがいる。
東條聡美・・・
成績優秀でうちのクラスの委員長。
お堅い性格と口うるさい所が玉にキズだが、こう言う調整とかは得意なタイプだった。
まぁ、ただ性格がアレだから俺が避け気味だったせいで数年間没交渉な状況・・・
アプリがあるからどうにかなるかもしれない。

とりあえず聡美に会うか・・・
しかし没交渉だから会う理由が難しいな。
とりあえず学校の宿題の内容を忘れたとか言ってみるか。
まぁ、超絶な小言を食らいそうだが、百合のあんな顔を見たら何かやってやれないかと思う。
そうと決まれば善は急げ・・・
俺は数軒先の聡美の家に向かった。


東條家のチャイムを押すと出てきたのは聡美の声だった。
要件を話すと盛大なため息が向こうから聞こえてきたが、足音が聞こえてくる。
ドアが開き、綺麗な顔が超不機嫌に彩られた聡美が登場した。

「久しぶりに来たかと思えばフザけた事を・・・だいたいアナタはいっつも人の話をよく聞かないしっ、授業は上の空だしっ、だから大事な事も忘れるのよっ!・・・だいたい私に聞きに来るだけマシだけど、普通忘れる?・・・宿題よっ!、普通忘れるっ?!、バカなの?、マジで死ぬのっ?」

マシンガンのように放たれる小言・・・
いや、やっぱ破壊力凄すぎてお近づきになりたくないや・・・

僕はスマホのシャッターを切る。
内容は『僕の話を聞いてくれる』だ。

「で・・・宿題だけが目的じゃないでしょ・・・お上がりなさい」
「話早くて助かるよ」

小言が止まった。
僕の話を聞いてくれる気になったらしい。
背中を向けた聡美を見ながら、僕はアプリを見てみる。

聡美のステータスを見る
信頼度30(幼馴染補正30) 信用度38(同) 恋愛度69 人格85 魅力91 母性15 経済力15 ツンデレ77 

全然信頼されてない・・・
信用度もすこぶる低い。
僕の評価って駄目人間なんだろうか・・・
しかし、百合や中橋さんの時になかった項目もある。

百合や中橋さんにはメイド、愛の結晶、生殖力の項目が書いてあって取り消し線が引かれてた。
ある条件を満たすと解禁されるのだろうか。
それらが無い代わりに聡美の項目にはツンデレがある。
高いほうがツンもデレも強いのか、それとも高いほうがツンなのか、高いほうがデレなのか、慎重に見定めたほうがよさそうだ。

好感度と服従度は…それぞれ4と0か。好感度4と言うのが元からなのか、こうして会いに来たからなのかはまだわからない。
百合の時の肉親家族補正や聡美にあった信頼度・信用度の幼馴染補正と同じ初期値で無いとしたらこうしてコミュニケーションを取った時の効果が強く出るタイプなのかもしれない。

ともかくぶつかってみないと貫けない。
目の前のツンデレ?幼馴染に率直に相談してみた。

「宿題の事だけじゃないとは思ったけど、百合ちゃんのクラスの出し物ねぇ…」


聡美は唇の下に人差し指を立てて考える仕草をした。

「他のクラスの事に介入できないわ」
「いや、百合の相談にでも乗って欲しいんだ・・・悩んでるみたいなんでな」

フムと言いながら聡美は淹れたての紅茶を口にする。
俺の方はアプリを確認・・・
「服従度が0から2に上がりました!」とある。
とりあえず理由は不明だが何故か服従度がこの会話で上がった・・・
ゲーム感覚で考えると、これは結構奥が深いのかもしれない。

「百合ちゃんには優しいのねぇ・・・アナタの優しくしてる姿って意外だわ」
「妹だしなぁ、当然だろ」

彼女はまた紅茶を一口。
俺はスマホを確認。
また好感度は上がらず服従度が上がったが、それ以外に今まで0だった項目・・・
嫉妬が20も上がっていた。

嫉妬か・・・
ツンデレキャラが嫉妬上がると地雷な気もする。
それと好感度じゃなく服従度が上がるのも、どことなく怪しげだ。

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