格好が・・・ 8
遥は『ホワイトパラダイス』に一人でバイトすることにした。
そして、その日になって道の中で着替えていると、この前声をかけた男が来た。
遥は下着姿だった。
遥「キャァ〜、何で入ってくるのよ!!」
男は胸を揉んできた。
男「柔らかくて、気持ちいい。最初に見たときから揉んでみたかったんだ。」
遥「何するのよ!この変態!!」
男は遥の迫力に押されて出ていった。
遥は急いで服を着て、帰っていった。
次の日、学校で
遥「あそこはダメだよ。アタシの胸をいきなり揉んできて・・・。」
「マジで?そんなあり得ない店だったの?」
「大丈夫だった?怪我とかはなかった」
泉や恵麻は口々にそう言った。
もう、あの店のことは忘れよう、という話になっているところに、いきなり教室後ろの扉が開いた。
学年章から見ると先輩の女子だった。泉や遙に負けないくらい短いスカートをはいていた。
「片野泉さんと根谷遥さんはいる?」
泉と遥は顔を見合わせた。
先輩に呼ばれる心当たりなんてない。それでも、無視するのも、後で何を言われるか分からないので名乗り出た。
「はい、私ですが」
「何かご用ですか?」
「昼休み、お弁当食べ終わってからでいいから、この部屋に来て」
その先輩女子は泉に紙片を渡した。
そこには、人があまり行かない、どこかの教科の準備室が書いてあった。
「何、あの人、いきなり、あり得ない!名乗りもしないで」
その女子が去ったあと、泉はいらいらしてそう言った。
「泉、あの人、生徒会 副会長の、吹田…たしか、優奈先輩。みんな名前知ってると思ってるんじゃない?」
恵麻が、そういってなだめる。
「ますますあり得ない」
「生徒会に睨まれてもいいことないよきっと。行くだけ行ってみたら」
そう言われ、泉と遥は昼休み、その部屋に行った。
「君たち、生徒会役員選挙に立候補しない?」
「めんどくさ…いえ、あの、めんどくさいような気が、します」
そういう泉を、遥がちょっと制した。
「あの、生徒会とか、マジ…いえ、真面目に良くわからないのですが…何で…」
「今度、コイツが生徒会長に立候補する」
優奈はスマホで画像を出した。
「マジ…?」
「何、このキモデブ…こんな、いえ、このような人に投票しそうな人がいるのですか?」
優奈は姿勢を正した。
「この男、堺 藍斗、今の副会長の一人なんだけど、校則の強化を目指している。特に、スカート丈!」
優奈は自らのスカートの裾に触れた。
「マジですか?」
「ますますあり得ないですよね。誰が投票するんですか?」
「まず、推薦を狙うような、真面目の看板を下げたような子たち。それと、ほんとはイマドキのスカート丈は恥ずかしいけど周りがやってるから仕方なくやってる子たち…」
泉と遥は顔を見合わせた。
「私も、恥ずかしいよ。でも、長いと、カワイクない!…あとは、男子も…男子比率は低いけど、結構無視できない」
「男子って、うれしくないんですか?まあ、あの連中に見せようとなんてそりゃあ思いませんけど」
「実は、目のやり場に困っている男子も結構多いらしい」
優奈は立ち上がった。
「私は“カワイイ”を守るため、生徒会長に立候補する!それで、君たちのどっちか、一緒に副会長に立候補しない?」
泉と遥は圧倒されていた。
「あの…何で私たちを呼んだんですか?」
「盗撮とその対応で大活躍したらしいじゃない」
「何で知ってるんですか?」
「私たちの情報網よ」
優奈は一息ついて、そして言った。
「公約は、スカート丈規制の撤廃!」
優奈はその公約を説明するプリントを二人に渡した。
「おもしろそうかも…アタシ、やります!」
「遥!」