格好が・・・ 69
「あの、生徒会本部の、高石先輩ですよね」
ぼんやりと女子達を眺めていた駿は、横から突然の声を、しかも生徒会関係と思われる声を聞いて、慌てて姿勢を正した。
「あ、ええと、そうだけど…君は、一年生?」
間近の女子が上半身着衣なのに駿はちょっとほっとした。その制服により、学年章を読み取れた。
「はい!一年生の、吹田 彩奈といいます!卒業した、優奈の、妹です!」
「そうなんだ、ああ、確かに、吹田先輩そっくり」
「それで僕のところに来たいうことは、君は僕の裸の絵をかきたいという事か。」
「えっ、ダメですか?」
「僕は裸はちょっとね。えーと確か君はみんなの前で裸にされそうになって逃げたんだったね。」
また自分が裸にされそうになったので、急いで彩奈はその場を立ち去った。
遥も困っていた。
最近、区域外の学校でも男子と一緒に着替え出来ないのはおかしいと考える女子が増えた来たのだ。
遥の中学の同級生が通っている区域外の高校でも、そういう声を無視出来ずに男女一緒に着替え始めた。
その同級生から聞いた話によると、女子は恥ずかしいそうに着替えをしている。
そして、男子が見ていないところで女子の風紀委員が女子の服装検査をしていて、セーラー服とスカートをまくり上げて下着を見ていたが、男子の風紀委員がやるようになって、女子は恥ずかしがっていた。
これも一緒に着替えはじめた時に、女子からの要望でそうなった。
遥の中学時代の同級生、ツインテールの、年齢よりやや幼く見える笠原千里は喫茶店で遥と話している。
「それで、更衣室がロッカー室、って名前になって、ロッカーの場所も変わったんだ。あたし、元々男子更衣室のロッカーに移らなきゃだったんだ」
「そうだったんだ」
「ロッカーの場所、なるべく男女男女で並んで。ロッカー室で着替えたら両側男子なんだよ」
8月1日、大学受験を希望する3年生を対象にした夏期講習が始まった。遥や泉はもちろん、殆どの3年生が講習に参加した。午前中に講習を受けた後、午後からは部活に出たり、また、地下のプールで泳いで過ごすことができる様になっていた。
講習の初日、舞は講習に出た後、午後からは新体操部の練習に出た。その後、帰りに他の3年生部員と一緒に喫茶店“トキメキ”に入った。
そこは今年の3月に卒業した雪乃の家でやっている店だった。
「あら舞、いらっしゃい!久しぶりね!」
「雪乃先輩、お久しぶりです」
その時、雪乃は純白のビキニスタイルで店番をしていた。他にもアルバイトのウエイトレスがビキニ姿で接客していた。