ところで区域内のある高校では、女子があまりの暑さでセーラー服からブラジャーが完全に透けていた。
男子は学校の中で上半身裸であるが、この高校の女子たちはみんな恥ずかしくてセーラー服を脱ぐ女子はいなかった。

　
　遥や泉たちの高校。
　吹田彩奈　一年生　卒業した吹田優奈の妹　は旅行委員になっていた。
　彩奈は臨海学校に向けて現地の状況をネットで検索してため息をついていた。
　区域内の映像だからといってテレビで女性の胸がそのまま映ることは、抗議により深夜以外自粛されていたのだが、ネット上では真偽不明のものも含めてその手の画像は多数流通していた。
　実際に行く海岸では上半身裸の女性はほとんどいなさそうなことは彩奈を安堵させたが、一方で"女子だけ上半身裸になれないのはおかしい"と考える潮流が起こっているという情報は気になった。
　"これがまたイマドキになったらどうする？マジ有り得ない！"
そんな時だった。
「ねえ、長岡先輩じゃない！」
「そうね。あの“デベソのダルマ”だわ」
遥や泉をはじめ、白光学園の２、３年生たちは、ＳＮＳに投稿された数枚の写真に注目した。この年の３月に卒業した長岡亮子がビキニのボトムのみの格好で海岸に立っているのが写っていたのだ。
亮子は昨年の夏、麗美のビキニを水に濡れると透ける物にすり替え、大勢の前で丸裸同然の姿をさらす辱めを麗美に味わわせた犯人だった。
その後、亮子は報復された。麗美と雪乃によってプールの中で丸裸にされ、プールから上がった際、大勢にその裸身を見られた。その時、生徒の何人かがスマホやデジカメで亮子の全裸姿を撮った。
亮子は身長150�p足らずで、ズングリとした太い体型をしていた。また、実は亮子はデベソで、全裸をさらし、写真に撮られたことによって、それが学校中に知れわたった。以後、亮子は“デベソのダルマ”と陰で呼ばれるようになった。

そういえばと思い出して、この前のテレビに全校集会が映った区域内の中学校をネットで検索してみた。
そしたら、体育館の中での体育の授業の様子が写っていた。
この前のテレビと同じように、男子は全員上半身裸、女子は上半身裸とブラジャーだけと体操服姿とバラバラだった。
女子はこの前と同じように恥ずかしいけど、暑さに耐えきれずに脱いでしまった。
遥や泉たちはこれを見て、こういうことが広まって、自分たちも学校の中で恥ずかしくても、上半身裸にならなくてはいけなくなるのでは思い始めた
ネットで検索すると深夜にテレビで放送された区域内の別の中学校の授業の動画が出てきた。
その動画を見ると、男子は最初から全員上半身裸で、女子は最初は全員ブラウスを着ているが、途中で恥ずかしそうにブラウスを脱いで、ブラジャーを外して上半身裸になったものだった