格好が・・・ 20
「マジで!そういってくれるとうれしいな」
「うん、楽しい学校だと思うよ。是非来て」
一息ついて、雪乃が尋ねた。
「ねえ、イマドキの中学生の制服ってどんな感じになってるの?スカート丈とか」
ふたりは顔を見合わせた。何と応えたらいいか考えているようだ。
しばらくの後、望美が口を開いた。
「ええと、校則自体は多分あんまり変わっていません。制服を正しく着れば自然に校則に合う感じで。でも、3年生になる前は校則より先輩方がこわかったんです」
「あ、それわかる」
紗綾香が相槌を打った。
「えっ、どういうこと?」
「森崎先輩のときは無かったですか?中学で先輩がにらみを利かせて、短くカワイク スカートはけるのは学年が上がってから、っていう感じ…ねえ、そんな感じでしょ」
「それな!…い、いえ、それです」
望美は、言いたいことを言ってもらえて思わずタメ口を出てしまった。
「一年の時は膝が見えてると、二年の時は膝上5センチ以上だと、それぞれ上級生に“生意気だ”と睨まれて…本当にびくびくしてました」
香織がそんな説明をする。
「へーっ…そんなことってあるの?」
雪乃は話を聞いて驚く。そして、2人に言う。
「でも、うちの学校は大丈夫よ。女子はみんなスカートを思いっきり短くカワイク履いてるから」
「そうよ。是非うちの学園に来なさいよ。とても楽しいわよ!」
紗綾香はすっかり望美と香織のことを気に入り、白光学園に入ることを勧める。
「私…白光学園を受験しようと思います。香織も一緒に受けるでしょう?」
「もちろんよ!」
それを聞いて、紗綾香はうれしくなった。
「紗綾香ちゃん、来年は素敵な後輩が入って来そうね。残念ながら私は卒業しちゃうけど…」
そう言う雪乃に対し、紗綾香は言う。
「でも、卒業しても時々お顔を見せに来てくださいよ。私…雪乃先輩のこと大好きですから」
「ありがとう!そう言ってもらえてうれしいわ」
やがて、食事を終えた恵麻が遥や泉、優奈の所にやって来た。
「ねえ、これからみんなでウォータースライダー滑ろうよ」
「いいわね。やりましょうか」
優奈がそう返答すれば、
「うん。せっかく来たんだから…やろうやろう…」
泉がそう言ってはしゃぐ。
雪乃と紗綾香の所にも杏が誘いをかけに来た。
「森崎先輩、紗綾香ちゃん、一緒にウォータースライダー滑りましょうよ」
「そうね。せっかくだから、みんなで滑りましょうか。紗綾香ちゃんもウォータースライダー…滑るわよね」
「ええ。つき合いますよ」
杏の誘いに、雪乃も紗綾香も了承する。
「あなた達も一緒にどう?今日一緒に来てる仲間を紹介するから」
雪乃はそう言って、望美と香織に誘いをかける。
「いいんですか?お邪魔にならないですか?」
望美は遠慮がちに尋ねる。
「大勢の方が楽しいじゃん」
そう聞いて、望美と香織も合流する。
ウォータースライダーへ歩きながら、雪乃は望美と香織 他のメンバーを互いに紹介し合った。
望美と香織も、泉と遥の水着にはちょっとぎょっとしていた。
ウォータースライダーでは、そのまま滑るところと、一人乗り・二人乗りの浮き輪に乗って滑るところとあった。