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格好が・・・
官能リレー小説 - その他

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格好が・・・ 18

雪乃は遠くを見るような眼をした。
 「そう…一年の時しか同じクラスじゃなかったけど、あの時は近づいたりとか何もできなかったけど…遠くから見てた」

 雪乃は首を振るような動作をした。

 「今日は楽しもう!」
 やや高い声。その場の全員が“ちょっと無理しているのかな”と思った。
 
 遥は、男について、恋愛について、雪乃に聞いてみたいと思っていたが、雪乃の気持ちを察してやめることにした。

 そして、少女7人はプールに入った。恵麻と杏は互いに水をかけっこしてはしゃぐ。

「先輩、今にきっといい出会いがありますよ。森崎先輩ってとても素敵ですから!」
泉はそう言って雪乃を励ます。
「ありがとう。でも大丈夫。今は新体操が恋人と思って頑張るわ」
雪乃はそう言って笑顔を見せる。

 泉の背後、水中から紗綾香が頭を出し、泉の胸をつかんだ。
「きゃあぁぁ…何すんのよ…」
「ふふうん…さっきのおヘソのお返しですよ。こんなに大きな胸…うらやましいです」
そう言って、泉の胸を揉む紗綾香。
「ちょっと…やめてよ」
泉の抗議に、紗綾香は胸を揉む手を止めた。そして、雪乃のほうを向いて、
「森崎先輩、一緒に泳ぎませんか?競争しましょうよ」


 「えぇぇ〜水泳部の子とぉ〜」

 雪乃は少しおどけたように答えた。
 紗綾香も雪乃が笑顔になることに一役買った。
 
 それでも実際に競争するとなると明らかに紗綾香の方が速くなってしまい、そうでなければ手加減したように見えてしまうだろう。

 「はい、私も参加します!」
 そう思った泉は状況を緩和しようと、直立不動で挙手するようなポーズでそう言った。
 泉の胸の大きさだと、泳ぐには明らかに不利で、多分三人中三位になるだろう。

「こっちの端からあっちの端までで二十五メートル、それでどうですか?」
紗綾香はそう提案する。
「いいわ。ただし、手加減は無用よ。お互い実力を出し切って勝負しましょう。私だって泳ぎには自信があるんだから」
雪乃は紗綾香にそう言い放つ。
「もちろんです。水着コンテストでは完敗しましたけど、泳ぎで先輩を負かしてみせますから!」
「ウフッ…水の妖精さんの泳ぎっぷりを見せてもらうわ」
雪乃はそう言ってニコッとする。

「あのぉぉ…私も一緒に競争するんですけど…」
雪乃と紗綾香とのやりとりの前に、泉はカヤの外であった。

「よぉーい、スタート」
 優奈の合図で、3人が一斉にスタートする。
先頭をスイスイ泳ぐのはもちろん紗綾香だ。雪乃も紗綾香に負けずに見事な泳ぎを発揮する。一方、泉は2人に大きく引き離されていた。

 紗綾香がトップでゴールし、僅かに遅れて雪乃がゴールした。2人に大分遅れて泉がゴールに辿り着く。

「森崎先輩、すごいです!水泳部に入って本格的に水泳をやってたら、今頃きっとエースになってますよ!」
雪乃の素晴らしい泳ぎに驚嘆する紗綾香であった。

 泉は、特に情けなく思うことはなかった。自分の懸念したような状態にならなかったことにほっとして、微笑んで雪乃と紗綾香の方を見ていた。
 そして、久しぶりに全力で泳いで気分よくもあった。

 「森崎先輩、さすが新体操部だよね」
 遥が泉の近くに来た。

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