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K/K
官能リレー小説 - その他

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K/K 1

今、俺は台所に縛り上げられている
何でこんなことになっているのか、どこから説明したら良いのだろう
俺は菊池慧(きくちけい)
親の仕送りを受けながらバイトと学校な普通の高校二年
目の前に仁王立ちしているのは俺を縛った秋山恵(あきやまけい)隣に住む普通の小学五年生だ
額の両側の頭蓋骨が少し盛り上がってるのが特徴的で、アダ名に「鬼子」と呼ばれている
名前が同じ「ケイ」というのも手伝ってなついてくる
恵の母親は早くに他界し、父親の男手一つで大事に育てられている
恵の父親は長距離トラックの運転手で留守にすることが多い
そんな時、恵をまかされている
恵と父親の仲はとても良い
二人でいる時はとても楽しそうだ
そんな二人を見ていると、俺はたまにホームシックに掛かる事もある(でも、帰らない)
そんな仲がいい親子でも、喧嘩をすることはたまにある
そんな時、恵は家出をする
…俺の部屋に
大抵、次の日には恵は何事も無かったように家に帰る
父親は家出から帰ってきた次の日や、遠出をする前に恵のことをお願いしますと俺に頼みに来る
そして、恵のことで必要なとき使ってくださいと二万円前後を置いていく
いつもお世話になっているので余ったら使ってくれと
厳つい格好に怖い顔だが、娘のことになると腰が低い
俺は使った分の明細を作り、お釣りを渡そうとするが父親は頑として受け取らない
懐に入れるには頻繁すぎるので、俺は専用の通帳を作りそれにお釣りを入れている
なんだかんだで約百万円貯まった。父親の金銭感覚はどうなってるのか考えてしまう
(考えてみれば、父親不在の時の水道光熱費は俺持ちみたいなものだ)
恵の恥じらいというものが無い
男親に育てられるとそうなるものなのだろうか性格は男っぽく、五年生にもなるのに一緒にお風呂に入ろうとする
恵が言うには、今でも父親と一緒に入ってる
俺が五年生の頃は親と入ることは無かった
スカートで胡座(アグラ)をかくぐらいなら可愛い方だ。それだけじゃなく、俺の前で平気で下着姿や裸になる
そして思春期なのか、やたらと俺の体に興味を示す
俺の入浴中やトイレで用足しをしているときに乱入をしてきて観察しようとする
おかげで鍵を掛ける習慣がついた
父親のエロ本が愛読書でよく俺の部屋にも持ってくる
「なあ、慧。SEXしようぜ」と言う言葉に俺は何度拳骨を落としたことか
年頃の女の子の扱いにバイトの先輩であり、彼女である大学一年生の近藤棗(こんどうなつめ)に相談することもしばしば
恐らく擬似恋愛をしているのだろうが、くれぐれも手を出すなと言われる(言われなくてもその気は無い)
何度か直接話しあってもらったこともあるが、特に対策は見つからなかった
それどころか
「なあ、慧は棗ともうヤッた(SEXした)のか?」
と興味津々に聞いて来ては拳骨を受けた
ある日、恵の父親が遠出の日、俺がバイトから帰ると恵は夕飯を急かした
俺が台所に入るといきなりスズランテープでぐるぐる巻きにされた
それが今だ
「恵、危ないから食事の支度をしているときにふざけるなって何度も言ってるだろ?」
「ちょっと実験に付き合って欲しくてさ」
「人の話を聞いてるか?」
「ほら、よく人格が入れ替わるって話あるだろ?」
さすがに俺も頭に来た
「恵!」
俺の怒鳴り声に少しシュンとする恵
「ごめん、でもさ、どうしてもね」
深いため息を吐く俺
「で、何をしたいんだ?」
これは言ってからしまったと思った。先にほどかせるべきだった
目をキラキラさせて恵は語りだし
「頭同士をぶつけてさ、中身が入れ替わっちゃう話があるだろ!?それを実際にやってみようと思うんだ」
「そんなのできるの漫画だけだ!」
「思いついたことは実際に起こりうることであるって何かで読んだよ」
「そういうのは長い年月を経て研究されていくものだ!思い付きがすぐにできるってことじゃない!」
「やってみなきゃわからないじゃん。じゃ、と、言うわけで」
恵が俺の頭をがっしりと捕まえる
「やめろ馬鹿!」
ゴスン!
恵の頭突きが俺の額に入る
「くぁぁぁ…」
「うくくく…」
痛みにうめく俺と恵
「う、う〜ん、入れ替わってないや」
「当たり前だ馬鹿!」
「まだまだ!」
ゴツン!
ゴン!
「やめろ…生え際が広がる…」
「…まだまだ…」
ゴッ!
ゴスッ!
「ま、まだまだ…」
「いい加減諦めろ馬鹿垂れ…」
「馬鹿だから諦めるって分からないも〜ん」
ゴン!
ゴン!
「うう、馬鹿になるかも…」
「もう立派な馬鹿だ!」
「まだまだぁ!」
頭をふらふらとさせながら立ち上がる恵
ふらつきが足にも来ているのかおぼつかない
案の定こけた
俺に向かって倒れ掛かる
ゴキッ!
そして鬼子と呼ばれる原因の左側のツノが俺の額に入った
「ぐぉぉぉぉぉ…」
「ぬぎぎぎぎぎ…」
二人して台所でのたうつ
恵の姿を探すと、俺の目にはのたうつ俺が写った(こんな所に鏡なんかあったか)
ぐわんぐわんと唸りを上げる頭でそんなことを考える
しかし、どう見てもおかしい俺と同じ格好をしていない
それどころか俺の体は自由に動くのに、俺の目に写る“俺”は縛られたままだ
そんなことより恵だ。
「恵、大丈夫か?」
自分の出した声がおかしい
“俺”と目が合う
“俺”の動きが硬直する
俺の頭に変な考えがよぎる
「成功?」
“俺”が言う
「恵?」
「うん」
「そんな馬鹿な…」
俺と恵が本当に入れ替わってしまった

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