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強運ハゲ中年と1000人の子供
官能リレー小説 - その他

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強運ハゲ中年と1000人の子供 1

朝、目を覚まして目覚ましのアラームを止めると、だるい体を起こしてテーブルの上のタバコに手を伸ばした。
「ふぅ〜…」
今日が終われば私は45歳。妻も子もおらず、このハゲ上がった頭に中年太りの体では結婚は難しいだろう。いや、現在、求職中の私には夢のまた夢とも言えるのか。
ただ、こんな事を頭で考えている間にも、私の有り余った精力は、朝起ちを理由に自己主張を続けている。「たまには使ってくれよ」そんな事を言いたそうにしているコイツには構わず、私は身支度を整える事にした。
目的の場所は決まっている。職業安定所、略して職安だ。家を出て駅へ向かいながら、ぼんやりと思い出す。高校卒業から26年間、私は町工場で働いていた。毎日、機械を相手に自動車の部品を製造しながら頑張ってきた。が、不況の煽りであっさりと潰れた。
「仕方ない」
まだ次がある。そんな私の考えは、職安で打ち砕かれた。人、人、人、不況の煽りで同じ境遇の人や、リストラされた人達が職安に溢れかえる。(まだ勃起中)
幸い、仕事一筋だった私には蓄えがあったため、当面は生活に困らないが、このままでは不味い。
目的地に到着した私は、携帯の時間を見る。
「11時か。」
ちょうど昼前、駐車場は空きが無い程だ。今までの意気込みはどこへやら、私は近くのスーパーへ向かった。
「明日は誕生日だ。今日、明日くらいゆっくりしたっていいじゃないか。」
生ビールをカゴに入れながら、そんな言い訳を誰かにしている。
買い物袋を手に下げ、私はもう家路についていた。
「ちょっと、そこのおじさん。」
不意に呼ばれた気がして路地裏に視線を向ける。『運命鑑定』と書かれた看板の横で、真っ赤な口紅の美しい女性が手招きしていた。
手招きされているのだから、近付くのは当然だ。
「私に何か?」
「ねぇ、おじさんは運命って信じる?」
「…」
これは何かの勧誘か、ただの営業か、壺でも売られるのか、どれにしろ、私は早々と退散するべきだと考える。
「そんな露骨に怪しいって目で見なくてもいいじゃないの。おじさん、いえ、田辺さん。」
「えっ?」
思わず声が漏れた。そう、私の名前は田辺雄三。何故、彼女が私の名前を知ってるんだ。だんだんと、沸き上がってくる恐れに後退りしてしまった。
「ね、運命って信じる?」
彼女は微笑を浮かべながらもう一度問いかけてくる。そして、私は一つの確かな真実を見た。
「(お…おぉ…)」
そう、彼女の大きく開いた胸元は、これでもかって程に豊満な乳房を主張している。思わず見入ってしまうのは、男性ならわかってくれるはずだ。
「あ、気になる?」
下から持ち上げるように胸を強調してくる。
「ゴクッ…」
違うよ、これは恐怖から固唾を飲んだ訳で、決して彼女の大きな、推定Fカップはありそうな乳房を見てー!揉みてー!吸い付きてー!なんて考えから生唾を飲んだ訳ではない。

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