私の勝手。 1
高校2年鈴宮美菜。
学校では、清純派で通っている。
えっち系の話題が出ると、
「美菜はそういう無いよねぇ〜」
「そんな事ないよっ」
「またまたぁ〜」
何て、別に否定はしていないのにみんな勝手に綺麗な私を形付けている。
でも、実際は違う。
ちょうど去年くらいからか…私は高校入学と同時に携帯を買った。
それから、みんなの話を聞いて、メル友を募集した。
大半が男の人からでみぃんな話題は一緒。
『オ○ニーとかするの?』
『起ったの見た事ある?』
最初は嫌だったけど、私は知らない世界にどんどん惹かれていった。
『ねぇ、会ってしてみない?初めて、頂戴よ。交通費とかは出してあげる』
携帯の写メでしか見た事のない相手、電車で一時間位かな…。
もう、恐怖心より好奇心で私の心はいっぱいになっていた。
―……。
その週の日曜日、私はいろんな感情を胸に電車に乗った。初めての1人遠出。
電車の中でクラスメートに会ったけど、親戚の家に行くって言ってごまかした。
『次は○○〜次は○○〜』
駅員のアナウンスが妙に胸に響いた。
私は相手に「ついたよ」と素っ気ないメールを送った。
改札を出て辺りを見渡すが、それらしい人は見当たらない。
「送信:さとる君どこぉ?」
「受信:時計の下だよ。」
時計の下…そこには、ヒッキー地味だ男が立っていた。
写メと比べて、確信。確かにアイツだ。
私は、写メ何てあてにならないとこのとき実感した。
「…美菜ちゃん?」
帰ろうか否か、悩んでいるとアイツが私に話しかけてきた…。
「は、」
「美菜ちゃんだよね?可愛いなぁ。写メより可愛いね♪」
まだ、返事してないよ…。
「ご飯とか先がいい?それとも、行っちゃう?」
挙動不審、そう思えるサトルの行動。
「どっちでもいいよ。」
サトルの顔はパァッと明るくなった。
「じゃあ、直行ね♪」
―…歩いて、10分。
私には未知の世界が目の前に立っている。ホテルの手続きはサトルに任せて、私はただこれから始まることを考え続けた。
部屋は割と綺麗で、詳しくは分からないけどサトル曰わく設備もいいらしい。
「美菜ちゃん…僕…もうっ…」
突然息を荒げたサトルが私を押し倒す。
黙ってそれを受け入れると、サトルの薄目の唇が荒々しく私の唇にかさなった。
…私のファーストキス。