交差 32
「放っといてやるのがいいんじゃないか?…」
例え直人がGayだとしても、俺は別に構わない…
「直人の性格よ…悩んでいると思うの…」
まぁ直人は先天的なGayじゃないだろうから…それは悩むとは思うけど…
「じゃあ、どうすんだよ?…」
聞いたところでカミングアウトはしないと思うけどな…
「先ず確かめてみなくちゃねぇ…」
それゃまだ直人がそうだとは決まった訳じゃないもんな;
「確かめてみるって…どうするつもりなんだ?…」
今度は薬で勃たせるって訳にはいかないと思うけど…
「優紀との時みたいに…私がスル?」
俺との時って…俺とセックスした時のことを言ってます?;…
「あの時のことが何か関係あんのかよ?… 」
唯一詩織と結ばれた…俺にとっては掛けがえの無い思い出だ…
「私…疑っていたの…優紀のこと」
疑っていたって;…話しの流れからすると俺がGayじゃないかと疑っていたってことだよな;
「俺はちゃんと出来ただろ;…」
始め勃たなかったのは緊張のせいだし;
「少し安心した…でもあれからずっと無いから…本当は?って…思はなくも無いんだけど…」
ずっと無いって;…
誘える立場じゃないからずっと押さえてきたんだけどな…
「そうは言うけど…こんな大きな会社の社長になって…俺にとなっちゃ高嶺の花なんだぜ…」
吊り合いが取れないのもいいとこだ…
「辞めてもいいんだけどな…」
またそんなこと言って;…口先だけで心にもないんだろうけど;
「詩織が辞めたら、俺は路頭に迷うじゃないかよ;」
詩織あっての社長秘書だ…
「二人で逃げる?…」
からかってんな;…きっと
「望むところだ…」
そんなことが本当に起きるとは思っていないけどな…
「3人で?…」
3人って何だよ?
「まさか直人も連れて行くのかよ?…」
詩織の直人好きは今に始まったことじゃないけど;…
「それは結果次第ってところかしらね…」
それって…直人がGayかどうか?…って確かめた結果次第ってことだよな?;
「それで直人とスルのかよ?…」
そうと聞くと、直人はGayで…詩織とは出来ないことを望んじゃいますがね;…
「焼いてくれるの?…」
それゃ複雑な心境ですよ;…
「俺のことは…確かめないでいいのか?…」
もしかしたらそうじゃないか?って、今でも疑っているって言ってたよな…
「それなら…優紀が確かめてくれない?…」
言ってる意味が分かりませんけど;
「ノンケの俺がそんなこと出来る訳ないだろ…」
ましては直人をそんな対象に…見ることも出来ない;
「それじゃ私がスル?…」
おい;…二者選択しかないのかよ?…
「別にセックスしないでもいいんじゃないか?…」
他にも確かめる方法はあるはずだよな…
「最後までしなくていいから…優紀がヤッてよ…」
最後までって;…
男同士の最後って;どこが最後なんですかね?;…