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栞の手記
官能リレー小説 - SM

総合順位:2533位
SM:54位
得票数:12
発起人:中村裕
投稿日:2020-06-04
最終投稿者:derfg
最終更新日:2020-06-08
投稿数:12

この作品は官能小説です。
18歳未満の方は閲覧禁止です。またアダルトコンテンツを不快に思う方はご遠慮ください。

はじめから読む

書き出し

とあるTという駅で待ち合わせた。
栞は何も考えられなかった。

4月の日差しは、
爽やかでもある空気を澱ませて、
栞の白のブラウスを汗ばませていたのだが、
ブラウスがまるでその栞の素肌のように湿っていたのは、
この季節だからだけだからという訳ではなかった。

これまで幾度もなく自分のことを考えていた。
いや、自分のことを感じていた。
家からT駅への道のりは、
まるで長い白い廊下を永遠に歩かされているようで、
4月であるのに、
夏のかげろうが目の前を覆って居るように感じられた。

何もない誰でもない栞の目の前に飛び込んで来るものはすべて幻想のようであるのに、
家の最寄りのS駅への途中、
クリーム色のダックスフンドが、
赤い首輪を付け、電柱の根元で、
ねずみ色の電柱の根元で、可愛い顔をして、おしっこをしていた、
それだけが、今、栞の脳裏に焼き付いていた。

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