前日、東京港区、常盤製作所東京本社。
…カタカタ…
…ふぅ…これで…よし。校正は月曜日でいいや。二課の資料来ないし。
…小杉さん、二課から資料、来たよ。
…あ、寺田主任…こっちは月曜で大丈夫ですか?
…いいよー。締切は木曜だから平気でしょ。じゃ、よろしくー。
打ち込んだデータを保存し、腕時計で時間を見る。大きく背伸びをするとそのまま背もたれに上半身を預けた。自分のデスクの真後ろ、少し離れたところに時計がかかっている。イナバウアーの形で天地の裏返ったその時計も見た。
午後5時35分。いつの間にか定時を20分過ぎていた。同僚は半分近く帰ったようだ。
…さてと…帰りますか…お先に失礼しまーす…カード、ピッ♪
ロッカーで着替え、忘れ物がないかを確認し、裏口から後にする。最寄駅へは正面より裏からのほうが近い。守衛にお辞儀をしながらカードをセンサーに当て、会社を後にする。カバンからイヤホンを取り出し、スマホにつなぎ、音楽を再生しようとして声をかけられた。
↑に続く文章を投稿して下さい
©2002-2024 PIPI's World 『投稿小説』 All Rights Reseved. | 投 稿 小 説 |