父親がそう言うのを久美は、見ていた。
「私がタナカに付いて行けば、この屋敷はどうなる?」
久美がそう聞くと、父親は笑った。
「何、ここに戻るだけだ」
だが久美は知っていた……この屋敷に戻れば命を奪われる事を。そしてそれを止める事は出来ないと。何故なら、自分は母親ではないのだから。彼女の元には弟も妹もいないのだから……
。
「そう、じゃあお別れね」
そう言って久美は、父親に抱き着いた。
「済まない……」
父親は涙を流していた……この親不孝者め!そう思いつつも久美も涙していた。
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