二人の別荘は海を見下ろす高台の上にあった。どうやら誰かの別荘を、日を決めて借りているようだ。信行は女の子に手を引かれて、別荘の「屋上」に連れていかれた。
「おぅ!」海と空が、さえぎるものなく見えている。そんな環境のせいか、女の子が示した小屋の中には、天体望遠鏡が備えられていた。
「すごいなぁ〜。」信行が言った。「このごろ夜中に土星が昇ってくるから、こんな望遠鏡だとキレイに見えるだろうなぁ。」
女の子は目を輝かせた。
「え、お兄ちゃんお星さまの事わかるの?」
「うん。難しい事は無理だけど、こういう望遠鏡使うくらいの事は出来るよ。」
女の子は信行に飛びついてきた。
「お兄ちゃん、お願い! いっしょに見ようよ。いっしょにお星さま見ようよ!」
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