PiPi's World 投稿小説

未来宇宙史-投稿-

 ほぼ全裸の三人だったが、船内はサーモグラフィで温度管理されており、体温が下がりすぎないよう、温風と床下に張り巡らされたヒーターで局地的に暖められる。
 戦闘に特化した宇宙船ではこうはいかない。被弾の衝撃でセンサーが壊れてしまえば、的確な温度管理など望めないからだ。
 惑星ガンダルヴァには戦闘に特化した、言わば宇宙戦艦と呼ばれるものも多く存在するが、カイルやエナがそれらを避ける理由の一つとして、居住性が著しく損なわれる点が挙げられる。
 一般的には、航行速度や旋回速度を上げる目的で鋭角かつコンパクトな設計をするため、場合によってはテーブルを置けない、といったことが起こる。
 地球側からの支援で、戦艦クラスのものも入手可能だったが、航路が長いので、すぐさま選択肢から外れたほどだ。
 無論、居住性と戦闘能力を兼ね備えたものもあるが、二名での操縦は現実的ではなかったし、金額も跳ね上がるため、食料などの支援物資がほとんど貰えない状況だった。
 早くどこかの惑星を活動拠点にして稼ぎ、チューンアップか買い換えをするのが目下の指針といったところか。

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