「よし、身体を調べろ」
海賊達が待ってましたと言わんばかりに一斉に動き出す。男達の全身が隅々まで調べられたが、特に異常は見られなかった。
(やはり彼等は俺達と同じく、金貨の魔力で夢を見させられているだけのようだな…)
カルロスはほっとすると同時に落胆もしていた。
この美しい輝きも彼等が夢を見ている間の一時的な現象にすぎず、目覚めさせれば消えてしまうのだ。
もし彼等が永久に眠り続けたとしたらそれはそれで尋問が出来なくなるので困ってしまうのだが、それでも期待外れな気分になるのは仕方なかった。
「とにかく、これは淫らな夢を見ている間の一時的な現象なのだろう。この輝きが見れなくなるのは惜しいが、さっさと起こすぞ」
「了解だ」
「そうだな…」
海賊達は口々に答えた。
彼等の顔には残念そうな表情が浮かんでいる。だが、そんな顔をしても事態は何も変わらない。
アレサドンがまたもや恐る恐るという感じで尋ねてくる。
「船長…淫らな夢を見ている間光るってことは、更に淫らにしてやれば輝きがいっそう素晴らしくなるんじゃねえかい?」
「なるほど、一理あるな」
カルロスは感心したように言った。
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