藪の中から覗く赤い光を、みた。
「真奈美ー、あれ、なんだろう」
その場に立ち止まると、段々その光が大きくなる。
目、だった。
目玉。
血管が浮き出ている眼球が、私を凝視した。
「…ひッ」
その刹那。
宙に浮く不気味な眼球から、酷く鋭利な刃物が、出てきた。現れた、といった方が正しいかもしれない。
「香織ぃ?あれって〜…ぁ」
「まなッ」
逃げよう。
そう口にするよりも早く、不気味な眼球からの刃物が、真奈美の顔を貫いていた。
「あ……あ…」
真奈美の顔を貫いた刃物は、役目を果たしたかのように、金属音を奏でて落下した。
腰を抜かせてしまった私は、ただ逃げることすら出来ずに、眼球の形をした化け物から目を離せなくなっていた。
「…あ」
声がでない。
「さて。選択肢を与えよう。我らの苗床となるか、そこの女と同じようになりたいか。」
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