(先生!…どうしよう、合わせる顔が無いよ…)
あなたが信用できなかったので機械をすり替えましたが、当の自分が娘々(ニャンニャン)のハニートラップに掛かって取られちゃいました…なんて口が裂けても言える訳ない。
だが出なかったら出なかったで変に思われる。
大介は服を着てドアを開けた。
「お…おはようございます…」
「美作君!私は決めたよ!」
「い…一体何をです?」
首を傾げる大介に権造は少し声を潜めて言う。
「…機械を陳博士に託す事にした。いや、昨夜一晩ずっと寝ないで考えていてね…やはり自分が間違っていたと気付いたんだ。頭を冷やして考えてみたら青蘭さんの方が断然怪しいもんね。まったく目が覚めたよ。寝てないのにな。ワハハ♪…ふわぁ〜…今になって眠くなってきちゃった。これから陳博士にコレ渡して来て、そしたら寝るよ。…あ、そうそう。青蘭さんと言えば彼女、今朝早く急用が出来て北京に帰っちゃったみたい…」
言いながら権造は懐から機械を取り出した。
だがそれは昨日大介がすり替えた偽物だ。
「そ…そうですか…」
大介はそれだけ言うのが精一杯だった。
↑に続く文章を投稿して下さい
©2002-2024 PIPI's World 『投稿小説』 All Rights Reseved. | 投 稿 小 説 |