ギチリッとゼルドアの手が狼男の首に食い込み更に締めあげていく。
苦しさから狼男は手足をバタバタと暴れさせた。
だが脛を蹴られても微動だにせず、膝が太股を掠めるも跳ね返されてしまう。
狼男の手は胸元にぶつかるも、強靭な革鎧と中に詰まった肉の弾力にわずかな影響しか与えられない。
「このっ、俺をっ!非力な女のように拐かせると!無力な女のように無抵抗に抑え込めると!そう見下したのかよ、おいっ!!」
強靭なはずの毛皮をものともせず、ゼルドアの指が狼男の肉に沈みこんでいった。
すでに頸動脈は押し潰されどんどんと気管が狭まっていく。
意識は朦朧とし酸素を求めて横隔膜が引き上がった。
その瞬間。ゼルドアは反対の手を拳にし狼男の鳩尾へと叩き込む。
引き締まっていた筋肉を突き破り衝撃が走り、腹腔内を駆け巡ると肺が空気を吐き出してしまった。
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